二級ボイラー試験「関係法令」について解説しています。
本ページでは、ボイラーの検査及び検査証について問う問題を取り扱います。
これは覚えよう!
ボイラーの検査について
ボイラーの安全な運転を確保するために、さまざまな検査が実施されます。ここでは各検査名称と対象を覚えましょう。
落成検査
落成検査はボイラーが設置され、新たに運転を開始する前に行う重要な検査です。この検査は、ボイラーが設計通りに組み立てられていること、そして安全に運転できる状態であることを確認するために実施されます。なお、落成検査はボイラーを設置した者が受けます。
ボイラーを設置した者は、所轄労働基準監督署長が検査の必要がないと認めたものを除き、①ボイラー、②ボイラー室、③ボイラー及びその配管の配置状況、④ボイラーの据付基礎並びに燃焼室及び煙道の構造について、落成検査を受けなければならない。
落成検査の対象について、下の太字が問われやすいです。
- ボイラー
- ボイラー室
- ボイラー及びその配管の配置状況
- ボイラーの据付基礎並びに燃焼室及び煙道の構造
性能検査
ボイラーの性能検査は、ボイラーが設計通りに機能し、所定の性能基準を満たしているかを確認するために行われる検査です。ボイラー検査証の有効期間の更新を受けようとする者が受けます。また、検査に立ち会いが必要です。
なお、ボイラー検査証の有効期間は、原則として1年になります。
変更検査
ボイラーの変更検査は、ボイラーに対して設置後に改造や変更が行われた場合に実施される検査です。ボイラーに変更を加えた者が受けます。
次の設備について変更を加えた場合は変更検査が必要になります。
胴、ドーム、炉筒、火室、鏡板、天井板、管板、管寄せ、ステー、エコノマイザ(節炭器)、過熱器、燃焼装置、据付基礎
詳しくは» 変更検査が必要な変更
構造検査
構造検査はボイラーを製造した者が受ける検査で、ボイラーの設計や構造が規定された安全基準や性能基準に適合しているかを確認するための重要な検査です。
使用検査
使用検査はボイラーを安全に運転できることを確認するために行われます。対象は以下の4つです。
- ボイラーを輸入した者
- 構造検査の後、1年以上設置されなかったボイラーを設置する者
- 使用検査の後、1年以上設置されなかったボイラーを設置する者
- 廃止したボイラーを再設置・再使用する者
詳しくは» 使用を廃止したボイラーの再設置
使用再開検査
使用を休止したボイラーを再び設置し、又は使用しようとする者は、使用再開検査を受けます。また、廃止したボイラーを再設置・再使用する者は使用検査になります。注意しましょう。
- 休止したボイラー → 使用再開検査
- 廃止したボイラー → 使用検査
休止なら使用再開可、廃止なら再開不可と覚えよう。
溶接検査
ボイラーの溶接検査は、ボイラーの製造、修理、または改造時に行われる検査で溶接したボイラーに行います。
詳しくは» 溶接によるボイラーの検査
過去問で修得
令和6年4月 問36
ボイラー(小型ボイラーを除く。)の検査及び検査証について、その内容が法令に定められていないものは次のうちどれか。
- ボイラー(移動式ボイラーを除く。)を設置した者は、所轄労働基準監督署長が検査の必要がないと認めたボイラーを除き、落成検査を受けなければならない。
- 性能検査を受ける者は、検査に立ち会わなければならない。
- ボイラー検査証の有効期間は、原則として1年である。
- ボイラーの胴に変更を加えた者は、所轄労働基準監督署長が検査の必要がないと認めたボイラーを除き、変更検査を受けなければならない。
- ボイラーを輸入した者は、原則として構造検査を受けなければならない。
正解5 正しくは使用検査です
令和5年10月 問37
ボイラー(移動式ボイラー及び小型ボイラーを除く。)に関する次の文中の( )内に入れるAからCまでの語句の組合せとして、該当する法令の内容と一致するものは(1)~(5)のうちどれか。
なお、ボイラーはボイラー室に設置する必要のあるものとする。
「ボイラーを設置した者は、所轄労働基準監督署長が検査の必要がないと認めたものを除き、①ボイラー、②ボイラー室、③ボイラー及びその(A)の配置状況、④ボイラーの据付基礎並びに(B)及び煙道の構造について、(C)検査を受けなければならない。」
A | B | C | |
1. | 自動制御装置 | 通風装置 | 落成 |
2. | 自動制御装置 | 燃焼室 | 使用 |
3. | 配管 | 燃焼室 | 落成 |
4. | 配管 | 燃焼室 | 性能 |
5. | 配管 | 通風装置 | 使用 |
正解 3 落成検査
令和5年4月 問35
ボイラー(移動式ボイラー及び小型ボイラーを除く。)に関する次の文中の( )内に入れるAからCまでの語句の組合せとして、法令上、適切なものは(1)~(5)のうちどれか。
なお、ボイラーはボイラー室に設置する必要のあるものとする。
「ボイラーを設置した者は、所轄労働基準監督署長が検査の必要がないと認めたものを除き、①ボイラー、②ボイラー室、③ボイラー及びその(A)の配置状況、④ボイラーの(B)並びに燃焼室及び煙道の構造について、(C)検査を受けなければならない。」
A | B | C | |
1. | 自動制御装置 | 通風装置 | 落成 |
2. | 自動制御装置 | 据付基礎 | 使用 |
3. | 配管 | 据付基礎 | 落成 |
4. | 配管 | 附属設備 | 落成 |
5. | 配管 | 据付基礎 | 使用 |
正解 3 落成検査
令和4年10月 問39
ボイラー(小型ボイラーを除く。)の検査及び検査証について、法令上、誤っているものは次のうちどれか。
- ボイラー(移動式ボイラーを除く。)を設置した者は、所轄労働基準監督署長が検査の必要がないと認めたボイラーを除き、落成検査を受けなければならない。
- ボイラー検査証の有効期間の更新を受けようとする者は、性能検査を受けなければならない。
- ボイラーを輸入した者は、原則として使用検査を受けなければならない。
- ボイラーの給水装置に変更を加えた者は、変更検査を受けなければならない。
- 使用を廃止したボイラーを再び設置しようとする者は、使用検査を受けなければならない。
正解 4 変更検査の対象を確認しましょう。
令和4年4月 問31
ボイラー(移動式ボイラー及び小型ボイラーを除く。)に関する次の文中の( )内に入れる(A)から(C)までの語句の組合せとして、法令に定められているものは次のうちどれか。
「ボイラーを設置した者は、所轄労働基準監督署長が検査の必要がないと認めたものを除き、①ボイラー、②ボイラー室、③ボイラー及びその(A)の配置状況、④ボイラーの(B)並びに燃焼室及び煙道の構造について、(C)検査を受けなければならない。」
A | B | C | |
1. | 自動制御装置 | 通風装置 | 落成 |
2. | 自動制御装置 | 据付基礎 | 使用 |
3. | 配管 | 据付基礎 | 落成 |
4. | 配管 | 附属設備 | 落成 |
5. | 配管 | 据付基礎 | 使用 |
正解 3 落成検査
令和3年10月 問33
ボイラー(小型ボイラーを除く。)の検査及び検査証について、法令上、誤っているものは次のうちどれか。
- ボイラー(移動式ボイラーを除く。)を設置した者は、所轄労働基準監督署長が検査の必要がないと認めたボイラーを除き、落成検査を受けなければならない。
- ボイラー検査証の有効期間の更新を受けようとする者は、性能検査を受けなければならない。
- ボイラー検査証の有効期間は、原則として2年である。
- ボイラーの燃焼装置に変更を加えた者は、所轄労働基準監督署長が検査の必要がないと認めたボイラーを除き、変更検査を受けなければならない。
- 使用を廃止したボイラーを再び設置しようとする者は、使用検査を受けなければならない。
正解 3 性能検査
令和3年4月 問31
ボイラー(移動式ボイラー及び小型ボイラーを除く。)に関する次の文中の( )内に入れるAからCまでの語句の組合せとして、法令に定められているものはどれか。
「ボイラーを設置した者は、所轄労働基準監督署長が検査の必要がないと認めたものを除き、①ボイラー、②ボイラー室、③ボイラー及びその(A)の配置状況、④ボイラーの(B)並びに燃焼室及び煙道の構造について、(C)検査を受けなければならない。」
A | B | C | |
1. | 自動制御装置 | 通風装置 | 落成 |
2. | 自動制御装置 | 据付基礎 | 使用 |
3. | 配管 | 据付基礎 | 性能 |
4. | 配管 | 通風装置 | 使用 |
5. | 配管 | 据付基礎 | 落成 |
正解 5 落成検査
令和2年10月 問33
ボイラー(小型ボイラーを除く。)に関する次の文中の( )内に入れるA及びBの語句の組合せとして、法令上、正しいものは次のうちどれか。
「所轄労働基準監督署長は、(A)に合格したボイラー又は当該検査の必要がないと認めたボイラーについて、ボイラー検査証を交付する。
ボイラー検査証の有効期間の更新を受けようとする者は、(B)を受けなければならない。」
A | B | |
1. | 落成検査 | 使用検査 |
2. | 落成検査 | 性能検査 |
3. | 構造検査 | 使用検査 |
4. | 構造検査 | 性能検査 |
5. | 使用検査 | 性能検査 |
令和2年4月 問33
ボイラー(小型ボイラーを除く。)の検査及び検査証について、法令上、誤っているものは次のうちどれか。
- ボイラー(移動式ボイラーを除く。)を設置した者は、所轄労働基準監督署長が検査の必要がないと認めたボイラーを除き、落成検査を受けなければならない。
- ボイラー検査証の有効期間の更新を受けようとする者は、性能検査を受けなければならない。
- ボイラー検査証の有効期間は、原則として 2 年である。
- ボイラーの燃焼装置に変更を加えた者は、所轄労働基準監督署長が検査の必要がないと認めたボイラーを除き、変更検査を受けなければならない。
- 使用を廃止したボイラーを再び設置しようとする者は、使用検査を受けなければならない。
正解 3 性能検査
令和元年10月 問35
ボイラー(移動式ボイラー及び小型ボイラーを除く。)に関する次の文中の内に入れるAからCまでの語句の組合せとして、法令上、正しいものは次のうちどれか。
「ボイラーを設置した者は、所轄労働基準監督署長が検査の必要がないと認めたものを除き、①ボイラー、②ボイラー室、③ボイラー及びその(A)の配置状況、④ボイラーの据付基礎並びに燃焼室及び(B)の構造について、(C)検査を受けなければならない。」
A | B | C | |
1. | 自動制御装置 | 通風装置 | 落成 |
2. | 自動制御装置 | 煙道 | 使用 |
3. | 配管 | 煙道 | 性能 |
4. | 配管 | 煙道 | 落成 |
5. | 配管 | 通風装置 | 使用 |
正解 4 落成検査