二級ボイラー技士試験「ボイラーの構造に関する知識」について解説しています。
本ページでは、ボイラーに用いられるステーについて問う問題を取り扱います。
ボイラーに用いられるステーについて
ボイラーの胴やドラムには、平鏡板や皿形鏡板が使われますが、これらの部品は圧力に対して強度が弱く、補強をしないと変形してしまいます。そのため、ステーという補強材を取り付けます。
ステーには、使用する場所によって「管ステー」「ガセットステー」「棒ステー」の3種類があります。
管ステー
管ステーとは、煙管ボイラーや炉筒煙管ボイラーに用いられ、煙管より肉厚の鋼管によって管板を支えるものです。
https://ec.jbanet.or.jp/onlineshop/upload/save_image/01291111_5a6e82ed6643c.pdf
管ステーは管板に溶接又はねじ込みによって取り付けます。
ガゼットステー
ガゼットとは、はりなどを支える補強材のことで、ガゼットステーは胴から鏡板(管板)に斜めに取り付けられます。
https://ec.jbanet.or.jp/onlineshop/upload/save_image/01291111_5a6e82ed6643c.pdf
ガゼットステーは鏡板にブリージングスペースを設けつつ、溶接によって取り付けます。
棒ステー
直線状の棒や棒状の補強材で、ボイラーの部品を支えるために使われます。胴の長手方向(両鏡板の間)に設けたものを長手ステー、斜め方向(鏡板と胴板の間)に設けたものを斜めステーといいます。
練習問題
問題:ボイラーに用いられるステーについて、次の記述は正しいか。⭕または❌で答えてください。答えは▶を押してください。
Q:平鏡板は、圧力に対して強度が弱く変形しやすいので、大径のものや高い圧力を受けるものはステーによって補強する。
💡解説:平鏡板はステーによって補強しましょう。
Q:管ステーは、煙管よりも肉厚の鋼管を管板に溶接又はねじ込みによって取り付ける。
💡解説:管ステーはねじ込みor溶接とおぼえます。
Q:管ステーを火炎に触れる部分にねじ込みによって取り付ける場合には、焼損を防ぐためねじ込み後に、ころ広げをして完了とする。
💡解説:火炎にふれるようなころ広げに加え、縁曲げをします。ころ広げとは管や部品の接触部分を広げて、より強固に接続する方法です。また縁曲げとは管ステーを取り付けた後に管ステーの端部の縁を曲げて強度を増す作業です。
Q:管ステーを火炎に触れる部分にねじ込みによって取り付ける場合には、焼損を防ぐため、管ステーの端部を板の外側へ10mm程度突き出す。
💡解説:火炎にふれるような縁曲げをしましょう!外側へ突き出すだけではダメです。その縁を曲げましょう。
Q:ガセットステーは、平板によって鏡板を胴で支えるもので、溶接によって取り付ける。
💡解説:ガゼットステーは溶接と覚えましょう!
Q:ガセットステーは、熱応力を緩和するため、鏡板にブリージングスペースを設けて取り付ける。
💡解説:ガゼットステーはブリージングスペースを設けます。
Q:棒ステーは、棒状のステーで、胴の長手方向(両鏡板の間)に設けたものを長手ステー、斜め方向(鏡板と胴板の間)に設けたものを斜めステーという。
💡解説:棒ステーの長手ステー、斜めステーをそれぞれ抑えましょう。
過去問で修得
令和5年10月 問4
ボイラーに用いられるステーについて、適切でないものは次のうちどれか。
- 平鏡板は、圧力に対して強度が弱く変形しやすいので、大径のものや高い圧力を受けるものはステーによって補強する。
- 管ステーは、煙管よりも肉厚の鋼管を管板に溶接又はねじ込みによって取り付ける。
- 管ステーを火炎に触れる部分にねじ込みによって取り付ける場合には、焼損を防ぐためねじ込み後に、ころ広げをして完了とする。
- ガセットステーは、平板によって鏡板を胴で支えるもので、溶接によって取り付ける。
- ガセットステーは、熱応力を緩和するため、鏡板にブリージングスペースを設けて取り付ける。
正解 3
令和4年10月 問7
ボイラーに用いられるステーについて、適切でないものは次のうちどれか。
- 平鏡板は、圧力に対して強度が弱く変形しやすいので、大径のものや高い圧力を受けるものはステーによって補強する。
- 棒ステーは、棒状のステーで、胴の長手方向(両鏡板の間)に設けたものを長手ステー、斜め方向(鏡板と胴板の間)に設けたものを斜めステーという。
- 管ステーを火炎に触れる部分にねじ込みによって取り付ける場合には、焼損を防ぐため、管ステーの端部を板の外側へ10mm程度突き出す。
- 管ステーは、煙管よりも肉厚の鋼管を管板に溶接又はねじ込みによって取り付ける。
- ガセットステーは、平板によって鏡板を胴で支えるもので、溶接によって取り付ける。
正解 3
令和3年10月 問4
ボイラーに用いられるステーについて、適切でないものは次のうちどれか。
- 平鏡板は、圧力に対して強度が弱く変形しやすいので、大径のものや高い圧力を受けるものはステーによって補強する。
- 棒ステーは、棒状のステーで、胴の長手方向(両鏡板の間)に設けたものを長手ステー、斜め方向(鏡板と胴板の間)に設けたものを斜めステーという。
- 管ステーを火炎に触れる部分にねじ込みによって取り付ける場合には、焼損を防ぐため、管ステーの端部を板の外側へ10mm程度突き出す。
- 管ステーは、煙管よりも肉厚の鋼管を管板に溶接又はねじ込みによって取り付ける。
- ガセットステーは、平板によって鏡板を胴で支えるもので、溶接によって取り付ける。
正解 3