二級ボイラー技士試験「関係法令」について解説しています。
本ページでは、ボイラー技士が取り扱うボイラーについて問う問題を取り扱います。
これは覚えよう!
伝熱面積や容積が一定以上のボイラーはボイラー技士でなければ取り扱うことができません。
このボイラーは私でも取扱いできるのかな?
試験では、基本伝熱面積が3m2を超えるボイラーを選択すれば良いですが、「蒸気ボイラー」、「温水ボイラー」、「貫流ボイラー」については例外があります。
ボイラー技士でなければ取り扱うことができないボイラーについて
次のボイラーはボイラー技士でなければ取り扱うことができません。
蒸気ボイラー(伝熱面積で分類)
伝熱面積が3m2を超える蒸気ボイラー
(伝熱面積が3m2以下の蒸気ボイラーは、ボイラー技士でなくても取り扱うことができる。)
蒸気ボイラー(大きさで分類)
胴の内径が750mmを超え、その長さが1,300mm超える蒸気ボイラー
逆に、胴の内径が750mmが以下で、その長さが1,300mm以下の蒸気ボイラーは、伝熱面積に関わらず、ボイラー技士でも取り扱うことができるってことだね。
温水ボイラー
伝熱面積が14m2を超える温水ボイラー
(伝熱面積が14m2以下の温水ボイラーは、ボイラー技士でなくても取り扱うことができる。)
気水分離器を有しない貫流ボイラー
伝熱面積が30m2を超える気水分離器を有しない貫流ボイラー
(伝熱面積が30m2以下の気水分離器を有しない貫流ボイラーは、ボイラー技士でなくても取り扱うことができる。)
ボイラー取扱作業主任者の選任の問題と同じく、伝熱面積を算定(伝熱面積 ÷ 10)して、「算定した伝熱面積が3m2を超える気水分離器を有しない貫流ボイラーは、ボイラー技士でなければ取り扱うことができない」と覚えてもいいと思います。
詳細» ボイラー取扱作業主任者の選任
気水分離器を有する貫流ボイラー
内径が400mmを超え、かつ、その内容積が0.4m3を超える気水分離器を有する貫流ボイラー
たとえ伝熱面積が30m2以下でも、内径が400mmを超え、かつ、その内容積が0.4m3を超える気水分離器を有する貫流ボイラーは、ボイラー技士でなければ取り扱うことができない。
伝熱面積に関わらず、内径が400mmを超え、かつ、その内容積が0.4m3を超える気水分離器を有する貫流ボイラーは、ボイラー技士でなければ取り扱うことができないということか。
電気ボイラー
伝熱面積が3m2を超える電気ボイラー
(伝熱面積が3m2以下の蒸気ボイラーは、ボイラー技士でなくても取り扱うことができる。)
電気ボイラーはボイラー取扱作業主任者の選任の問題と同じく、伝熱面積を算定します。
詳細» ボイラー取扱作業主任者の選任
練習問題
問題:次のボイラーについてボイラー技士でなければ取り扱うことができないボイラーなら⭕、ボイラー技士でなくても取り扱うことができるボイラーなら❌で答えてください。答えは▶を押してください。
Q:伝熱面積が2.5m2の蒸気ボイラー
💡解説:伝熱面積が3m2を超える蒸気ボイラーは、ボイラー技士でなければ取り扱うことができません。したがって、問題の伝熱面積が2.5m2の蒸気ボイラーは、ボイラー技士でなくても取り扱うことができます。
Q:伝熱面積が3m2の蒸気ボイラー
💡解説:伝熱面積が3m2を超える蒸気ボイラーは、ボイラー技士でなければ取り扱うことができません。「超える」という表現は、「3m2を含む」という意味ではなく、「3m2を超えている」という意味です。つまり、3m2よりも大きい場合に該当します。したがって、問題の伝熱面積がちょうど3m2の蒸気ボイラーは、ボイラー技士でなくても取り扱うことができます。
Q:伝熱面積が4m2の蒸気ボイラーで、胴の内径が800mm、かつ、その長さが1500mmのもの
💡解説:伝熱面積が3m2を超える蒸気ボイラーは、ボイラー技士でなければ取り扱うことができません。したがって、問題の伝熱面積が4m2の蒸気ボイラーは伝熱面積が3m2を超えるので、ボイラー技士でなければ取り扱うことができないボイラーです。
胴の内径が750mmを超え、その長さが1,300mm超える蒸気ボイラーだから、大きさからもボイラー技士でなければ取り扱うことができないボイラーになるね!
Q:胴の内径が720mmで、その長さが1,200mmの蒸気ボイラー
💡解説:胴の内径が750mmを超え、その長さが1,300mm超える蒸気ボイラーは、ボイラー技士でなければ取り扱うことができません。したがって、問題の胴の内径が720mmで、その長さが1,200mmの蒸気ボイラーは、ボイラー技士でなくても取り扱うことができます。
Q:胴の内径が750mmで、その長さが1,300mmの蒸気ボイラー
💡解説:胴の内径が750mmを超え、その長さが1,300mm超える蒸気ボイラーは、ボイラー技士でなければ取り扱うことができません。「超える」なのでそれぞれの数値よりも大きい場合に該当します。したがって、問題の胴の内径がぴったり750mmで、その長さもぴったり1,300mmの蒸気ボイラーは、ボイラー技士でなくても取り扱うことができます。
Q:伝熱面積が10m2の温水ボイラー
💡解説:伝熱面積が14m2を超える温水ボイラーは、ボイラー技士でなければ取り扱うことができません。したがって、問題の伝熱面積が10m2の温水ボイラーは、ボイラー技士でなくても取り扱うことができます。
Q:伝熱面積が30m2の気水分離器を有しない貫流ボイラー
💡解説:伝熱面積が30m2を超える気水分離器を有しない貫流ボイラーは、ボイラー技士でなければ取り扱うことができません。したがって、問題の伝熱面積がちょうど30m2の気水分離器を有しない貫流ボイラーは、ボイラー技士でなくても取り扱うことができます。
Q:内径が500mmで、かつ、その内容積が0.5m3の気水分離器を有する伝熱面積が30m2の貫流ボイラー
💡解説:内径が400mmを超え、かつ、その内容積が0.4m3を超える気水分離器を有する貫流ボイラーは、ボイラー技士でなければ取り扱うことができないボイラーです。問題のボイラーは、内径、内容積ともに指定の数値を超えるので、ボイラー技士でなければ取り扱うことができないボイラーです。
伝熱面積が30m2の貫流ボイラーでも気水分離器を有すると意味合いが変わってくるんだね。
Q:内径が400mmで、かつ、その内容積が0.2m3の気水分離器を有する伝熱面積が25m2の貫流ボイラー
💡解説:内径が400mmを超え、かつ、その内容積が0.4m3を超える気水分離器を有する貫流ボイラーは、ボイラー技士でなければ取り扱うことができないボイラーです。問題のボイラーは、内径、内容量共に指定の数値を超えていないので、ボイラー技士でなくても取り扱うことができるボイラーです。
Q:最大電力設備容量が60kWの電気ボイラー(令和5年12月18日以前の時点で)
💡解説:伝熱面積[m2]=設備容量60[kW] ÷ 20 = 3 m2
したがって、伝熱面積が3m2以下の電気ボイラーであることから、ボイラー技士でなくても取り扱うことができます。
令和5年12月18日に電気ボイラーの伝熱面積算定方法の見直しがされ算定方法が変わっています。注意しましょう。» ボイラー取扱作業主任者の選任
過去問で修得
令和4年10月 問35
法令上、原則としてボイラー技士でなければ取り扱うことができないボイラーは、次のうちどれか。
- 伝熱面積が10m2の温水ボイラー
- 伝熱面積が4m2の蒸気ボイラーで、胴の内径が850mm、かつ、その長さが1500mmのもの
- 伝熱面積が30m2の気水分離器を有しない貫流ボイラー
- 内径が400mmで、かつ、その内容積が0.2m3の気水分離器を有する伝熱面積が25m2の貫流ボイラー
- 最大電力設備容量が60kWの電気ボイラー
正解 2
令和3年10月 問38
法令上、原則としてボイラー技士でなければ取り扱うことができないボイラーは、次のうちどれか。
- 伝熱面積が14m2の温水ボイラー
- 伝熱面積が4m2の蒸気ボイラーで、胴の内径が800mm、かつ、その長さが1500mmのもの
- 伝熱面積が30m2の気水分離器を有しない貫流ボイラー
- 伝熱面積が3m2の蒸気ボイラー
- 最大電力設備容量が60kWの電気ボイラー
正解 2
令和2年4月 問39
法令上、原則としてボイラー技士でなければ取り扱うことができないボイラーは、次のうちどれか。
- 伝熱面積が 10 m2 の温水ボイラー
- 胴の内径が 720 mm で、その長さが 1200 mm の蒸気ボイラー
- 内径が 500 mm で、かつ、その内容積が 0.5 m3 の気水分離器を有する伝熱面積が 30 m2 の貫流ボイラー
- 伝熱面積が 2.5 m2 の蒸気ボイラー
- 最大電力設備容量が 60 kW の電気ボイラー
正解 3