二級ボイラー試験「ボイラーの取扱いに関する知識」について解説しています。
本ページでは、ボイラーの清缶剤について問う問題を取り扱います。
ボイラーの清缶剤
清缶剤ってなんだ?
清缶剤とは、ボイラーの正常な運転を維持するために使用する薬品です。主な目的は、スケールの付着や腐食、キャリオーバを防ぐことです。清缶剤には、酸消費量調節剤、軟化剤、脱酸素剤、泡立ち防止剤などが含まれており、それぞれがボイラー内の水質を改善し、機器の劣化を防ぐ役割を果たします。
これは覚えよう!
試験のために、清缶剤に使われる化学物質の名前を覚えておきましょう。
軟化剤:炭酸ナトリウム、リン酸ナトリウム
脱酸素剤:タンニン、亜硫酸ナトリウム、ヒドラジン
酸消費量付与剤:水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム
練習問題
問題:ボイラーの清缶剤について、次の記述は正しいか。⭕または❌で答えてください。答えは▶を押してください。
Q:軟化剤には、炭酸ナトリウム、りん酸ナトリウムなどがある。
Q:脱酸素剤には、タンニン、ヒドラジンなどがある。
Q:低圧ボイラーの酸消費量付与剤としては、塩化ナトリウムや亜硫酸ナトリウムが用いられる。
💡解説:塩化ナトリウムはイオン交換樹脂の再生に、亜硫酸ナトリウムは脱酸素剤に使用されます。
過去問で修得
令和6年4月 問20
ボイラー清缶剤の使用目的として、適切でないものは次のうちどれか。
- ボイラー内で生じた泥状沈殿物の結晶の成長を防止する。
- ボイラー伝熱面の低温腐食を防止する。
- 低圧ボイラーでは、ボイラー水中のシリカを可溶性の化合物に変える。
- ボイラー水中の硬度成分を不溶性の化合物(スラッジ)に変える。
- 酸消費量を適度に保つことによって腐食を抑制する。
正解 2
令和3年10月 問16
ボイラーの清缶剤について、誤っているものは次のうちどれか。
- 軟化剤は、ボイラー水中の硬度成分を不溶性の化合物(スラッジ)に変えるための薬剤である。
- 軟化剤には、炭酸ナトリウム、りん酸ナトリウムなどがある。
- 脱酸素剤は、ボイラー給水中の酸素を除去するための薬剤である。
- 脱酸素剤には、タンニン、亜硫酸ナトリウム、ヒドラジンなどがある。
- 低圧ボイラーの酸消費量付与剤としては、塩化ナトリウムが用いられる。
正解 5
令和2年4月 問13
ボイラーの清缶剤について、誤っているものは次のうちどれか。
- 軟化剤は、ボイラー水中の硬度成分を不溶性の化合物(スラッジ)に変えるための薬剤である。
- 軟化剤には、炭酸ナトリウム、りん酸ナトリウムなどがある。
- スラッジ調整剤は、ボイラー内で生じた泥状沈殿物の結晶の成長を防止するための薬剤である。
- 脱酸素剤には、タンニン、ヒドラジンなどがある。
- 低圧ボイラーの酸消費量付与剤としては、一般に亜硫酸ナトリウムが用いられる。
正解 5