石炭

二級ボイラー技士試験「燃料及び燃焼に関する知識」について解説しています。

本ページでは、石炭について問う問題を取り扱います。

これは覚えよう!

石炭化度の意味を抑えましょう。

石炭化度

石炭化度は、石炭が形成される過程での変化の度合いを示します。石炭化度が高いほど、石炭の炭素含量が増加し、揮発分が減少するため、エネルギー密度が高くなります。つまり、石炭はより成熟し、高品質な燃料となります。

石炭は以下の順で石炭化度が進んでいきます。

  1. 褐炭:最も未成熟で炭素含量が少ない。
  2. 亜炭:褐炭より成熟しており、炭素含量が増加。
  3. 石炭:さらに成熟し、高い炭素含量とエネルギー密度を持つ。
  4. 無煙炭:最も成熟した石炭で、非常に高い炭素含量とエネルギー密度を持つ。

各種項目と石炭化度の関係は以下の通りです。

項目石炭化度が進むほど
燃料比大きい
単位質量当たりの発熱量大きい
固定炭素多い
揮発分少ない

石灰

石炭にとって石灰は不純物です。

  • 石炭に含まれる灰分が多くなると、燃焼に悪影響を及ぼす。
  • 石炭に含まれる灰分が多くなると、石炭の発熱量が減少する。

練習問題

問題:石炭について、次の記述は正しいか。⭕または❌で答えてください。答えは▶を押してください。

Q:石炭の燃料比は、褐炭から無煙炭になるにつれて増加する。

正しい記述です。

💡解説:褐炭から無煙炭になるほど、石炭化度が進み、燃料比も増加します。

Q:石炭の燃料比は、揮発分を固定炭素で除した値である。

正しくは「石炭の燃料比は、固定炭素揮発分で除した値である。」

💡解説:燃料比 = 固定炭素 / 揮発分です。固定炭素が多く、揮発分が少ないほど燃料比は高くなります。

Q:石炭に含まれる固定炭素は、石炭化度の進んだものほど多い。

正しい記述です。

Q:石炭に含まれる揮発分は、石炭化度の進んだものほど多い。

正しくは「石炭に含まれる揮発分は、石炭化度の進んだものほど少ない。」

💡解説:揮発分は石炭化度が進むほど少なくなります。

過去問で修得

令和4年10月 問23

石炭について、誤っているものは次のうちどれか。

  1. 石炭に含まれる固定炭素は、石炭化度の進んだものほど多い。
  2. 石炭に含まれる揮発分は、石炭化度の進んだものほど少ない。
  3. 石炭に含まれる灰分が多くなると、石炭の発熱量が減少する。
  4. 石炭の燃料比は、揮発分を固定炭素で除した値である。
  5. 石炭の単位質量当たりの発熱量は、一般に石炭化度の進んだものほど大きい。

正解 4

令和2年10月 問24

石炭について、誤っているものは次のうちどれか。

  1. 石炭に含まれる固定炭素は、石炭化度の進んだものほど多い。
  2. 石炭に含まれる揮発分は、石炭化度の進んだものほど多い。
  3. 石炭に含まれる灰分が多くなると、燃焼に悪影響を及ぼす。
  4. 石炭の燃料比は、石炭化度の進んだものほど大きい。
  5. 石炭の単位質量当たりの発熱量は、一般に石炭化度の進んだものほど大きい。

正解 2

令和2年4月 問28

石炭について、誤っているものは次のうちどれか。

  1. 石炭に含まれる固定炭素は、石炭化度の進んだものほど多い。
  2. 石炭に含まれる揮発分は、石炭化度の進んだものほど多い。
  3. 石炭に含まれる灰分が多くなると、石炭の発熱量が減少する。
  4. 石炭の燃料比は、石炭化度の進んだものほど大きい。
  5. 石炭の単位質量当たりの発熱量は、一般に石炭化度の進んだものほど大きい。

正解 2