二級ボイラー技士試験「燃料及び燃焼に関する知識」について解説しています。
本ページでは、ボイラーの熱損失について問う問題を取り扱います。
これは覚えよう!
ボイラーの熱損失とは、ボイラーの運転中にエネルギーが効率的に利用されず、無駄に失われる部分を指します。
試験では「熱損失」と「熱損失を小さくする方法」を覚えましょう。
熱損失一覧
- 排ガス熱による損失
- ドレンや吹出しによる損失
- 不完全燃焼ガスによる損失
- ボイラー周壁からの放散熱による損失
- 燃えがら中の未燃分による損失
また、ボイラーの熱損失のうち最大のものは、一般に排ガス熱によるものになります。
熱損失を小さくする方法
- 熱伝導率が小さく、かつ、一般に密度の小さい保温材を用いることにより熱損失を小さくできる。
- 空気比を少なくし、かつ、完全燃焼させることにより、排ガス熱による熱損失を小さくできる。
練習問題
問題:ボイラーの熱損失に関し、次の記述は正しいか。⭕または❌で答えてください。答えは▶を押してください。
Q:ドレンや吹出しによるものはボイラーの熱損失に含まれない。
💡解説:熱損失一覧を確認しておきましょう。
Q:ボイラーの熱損失のうち最大のものは、一般に不完全燃焼ガスによるものである。
💡解説:煙突からはもくもくと排ガスが放出されており、その際に熱も逃げています。
煙突から逃げていく熱が一番大きいとイメージしよう。
Q:空気比を小さくすると、排ガス熱による熱損失は大きくなる。
💡解説:空気比が小さいということは、燃料に対して供給する空気の量が少ないことを意味します。空気比が小さいと、燃焼がより完全に行われ、燃焼生成物(排ガス)の温度が低くなるため、排ガスから失われる熱も少なくなります。逆に空気比が大きいと、過剰な空気が燃焼による熱を吸収し、排ガスの温度が高くなります。
過去問で修得
令和5年4月 問30
ボイラーの熱損失に関し、次のうち誤っているものはどれか。
- 排ガス熱によるものがある。
- 不完全燃焼ガスによるものがある。
- ボイラー周壁からの放散熱によるものがある。
- ドレンや吹出しによるものは含まれない。
- 熱伝導率が小さく、かつ、一般に密度の小さい保温材を用いることにより熱損失を小さくできる。
正解 4
令和2年10月 問25
ボイラーの熱損失に関するAからDまでの記述で、正しいもののみを全て挙げた組合せは、次のうちどれか。
- ボイラーの熱損失には、不完全燃焼ガスによるものがある。
- ボイラーの熱損失には、ドレンや吹出しによるものは含まれない。
- ボイラーの熱損失のうち最大のものは、一般に排ガス熱によるものである。
- 空気比を小さくすると、排ガス熱による熱損失は大きくなる。
- A、B、C
- A、C
- A、C、D
- B、D
- C、D
正解 2
令和元年10月 問30
ボイラーの熱損失に関し、次のうち誤っているものはどれか。
- ボイラーの熱損失には、排ガス熱によるものがある。
- ボイラーの熱損失には、不完全燃焼ガスによるものがある。
- ボイラーの熱損失には、ボイラー周壁からの放散熱によるものがある。
- ボイラーの熱損失のうち最大のものは、一般に不完全燃焼ガスによるものである。
- 空気比を少なくし、かつ、完全燃焼させることにより、排ガス熱による熱損失を小さくできる。
正解 4