ディフューザポンプの取扱い

二級ボイラー技士試験「ボイラーの取扱いに関する知識」について解説しています。

本ページでは、ディフューザポンプの取扱いについて問う問題を取り扱います。

これは覚えよう!

この問題は軸封装置(グランドパッキンシール式/メカニカルシール式)、ポンプの起動手順、ポンプの停止手順の3つの項目について抑えましょう。

軸封装置(グランドパッキンシール式/メカニカルシール式)

グランドパッキンシール式の軸は水が滴下するように、メカニカルシール式の軸は水漏れがないように調整します。

  • グランドパッキンシール式の軸については、運転中に少量の水が連続して滴下する程度にパッキンが締まっていることを確認する。
  • メカニカルシール式の軸については、水漏れがないことを確認する。

ポンプの起動手順

ポンプは空気が入らないように、使用前にポンプ内に十分な水を満たしてから起動させます。

  1. 吐出し弁を全閉、吸込み弁を全開にする。
  2. ポンプ駆動用電動機を起動する。
  3. ポンプの回転と水圧が正常になったら徐々に開く。
  4. 吐出し弁を全開にする。

ポンプに水を満たしてから、吐き出しをするイメージだね。

ポンプの停止手順

ポンプの停止は起動と逆の手順になります。

  1. 吐出し弁を徐々に閉める。
  2. 全閉にしてからポンプ駆動用電動機を止める。

練習問題

問題:ボイラーに給水するディフューザポンプの取扱いについて、次の記述は正しいか。⭕または❌で答えてください。答えは▶を押してください。

Q:メカニカルシール式の軸については、運転中、軸冷却のため、少量の水が連続して滴下していることを確認する。

正しくは「メカニカルシール式の軸については、水漏れがないことを確認する。」

💡解説:メカニカルシールは水漏れがないようにします。グランドパッキンシールについては少量の水が連続して滴下するようにします。

Q:起動は、吐出し弁を全閉、吸込み弁を全開にした状態でポンプ駆動用電動機を起動し、ポンプの回転と水圧が正常になったら吐出し弁を徐々に開き、全開にする。

正しい記述です。

Q:運転を停止するときは、ポンプ駆動用電動機を止めた後、吐出し弁を徐々に閉め、全閉にする。

正しくは「運転を停止するときは、吐出し弁を徐々に閉め、全閉にしてからポンプ駆動用電動機を止める。」

💡解説:ポンプの停止は最後にします。ポンプに水を満たしたまま停止するイメージです。

過去問で修得

令和5年10月 問16

ボイラーに給水するディフューザポンプの取扱いについて、適切でないものは次のうちどれか。

  1. グランドパッキンシール式の軸については、運転中に少量の水が連続して滴下する程度にパッキンが締まっていることを確認する。
  2. 運転前に、ポンプ内及びポンプ前後の配管内の空気を十分に抜く。
  3. 起動は、吸込み弁及び吐出し弁を全開にした状態で行う。
  4. 運転中は、ポンプの吐出し圧力、流量及び負荷電流が適正であることを確認する。
  5. 運転を停止するときは、吐出し弁を徐々に閉め、全閉にしてからポンプ駆動用電動機を止める。

正解 3

令和4年4月 問11

ボイラーに給水するディフューザポンプの取扱いについて、誤っているものは次のうちどれか。

  1. 運転前に、ポンプ内及びポンプ前後の配管内の空気を十分に抜く。
  2. 起動は、吐出し弁を全閉、吸込み弁を全開にした状態でポンプ駆動用電動機を起動し、ポンプの回転と水圧が正常になったら吐出し弁を徐々に開き、全開にする。
  3. 運転中は、ポンプの吐出し圧力、流量及び負荷電流が適正であることを確認する。
  4. メカニカルシール式の軸については、運転中、軸冷却のため、少量の水が連続して滴下していることを確認する。
  5. 運転を停止するときは、吐出し弁を徐々に閉め、全閉にしてからポンプ駆動用電動機を止める。

正解 4

令和3年10月 問15

ボイラーに給水するディフューザポンプの取扱いについて、適切でないものは次のうちどれか。

  1. メカニカルシール式の軸については、水漏れがないことを確認する。
  2. 運転前に、ポンプ内及びポンプ前後の配管内の空気を十分に抜く。
  3. 起動は、吐出し弁を全閉、吸込み弁を全開にした状態で行い、ポンプの回転と水圧が正常になったら吐出し弁を徐々に開き、全開にする。
  4. 運転中は、振動、異音、偏心などの異常の有無及び軸受の過熱、油漏れなどの有無を点検する。
  5. 運転を停止するときは、ポンプ駆動用電動機を止めた後、吐出し弁を徐々に閉め、全閉にする。

正解 5

令和3年4月 問11

ボイラーに給水するディフューザポンプの取扱いについて、誤っているものは次のうちどれか。

  1. 運転前に、ポンプ内及びポンプ前後の配管内の空気を十分に抜く。
  2. 起動は、吐出し弁を全閉、吸込み弁を全開にした状態で行い、ポンプの回転と水圧が正常になったら吐出し弁を徐々に開き、全開にする。
  3. グランドパッキンシール式の軸については、運転中、水漏れが生じた場合はグランドボルトを増締めし、漏れを完全に止める。
  4. 運転中は、振動、異音、偏心、軸受の過熱、油漏れなどの有無を点検する。
  5. 運転を停止するときは、吐出し弁を徐々に閉め、全閉にしてからポンプ駆動用電動機を止める。

正解 3

令和2年10月 問19

ボイラーに給水するディフューザポンプの取扱いについて、誤っているものは次のうちどれか。

  1. 運転前に、ポンプ内及びポンプ前後の配管内の空気を十分に抜く。
  2. 起動は、吐出し弁を全閉、吸込み弁を全開にした状態で行い、ポンプの回転と水圧が正常になったら吐出し弁を徐々に開き、全開にする。
  3. 運転中は、ポンプの吐出し圧力、流量及び負荷電流が適正であることを確認する。
  4. グランドパッキンシール式の軸については、運転中、水漏れがないことを確認する。
  5. 運転を停止するときは、吐出し弁を徐々に閉め、全閉にしてからポンプ駆動用電動機を止める。

正解 4