二級ボイラー試験「燃料及び燃焼に関する知識」について解説しています。
本ページでは、重油の性質について問う問題を取り扱います。
重油について
重油は、ボイラーなどで使用される液体燃料の一種で、石油から生成される比較的粘度が高い燃料です。重油は、原油を精製して得られる残留物から作られ、主に工業用や発電所での燃料として利用されます。高い発熱量を持ち、エネルギー効率が高いため、大型のボイラーや燃焼装置で広く使われています。
重油は、その動粘度によってA重油、B重油、C重油の3つに分類されます。
密 度 | 発熱量 | 粘 度 | 引火点 | |
A重油 | 低 | 高 | 低 | 低 |
B重油 | 中 | 中 | 中 | 中 |
C重油 | 高 | 低 | 高 | 高 |
試験で出題されるので、各重油の特性をしっかり確認しておきましょう。
A重油は発熱量が高くて、密度、粘度、引火点が低いんだね。優秀な重油だね。
練習問題
問題:重油の性質について、次の記述は正しいか。⭕または❌で答えてください。答えは▶を押してください。
Q:重油の密度は、温度が上昇すると増加する。
💡解説:重油は温度が上がるとサラサラになり、密度が下がります。油と同じとイメージしてください。
Q:重油の粘度は、温度が上昇すると低くなる。
💡解説:重油は油と同じ。温度が上がるとサラサラになり、粘度が下がります。
Q:密度の小さい重油は、密度の大きい重油より一般に引火点が低い。
💡解説:密度の小さい重油(A重油)は密度の大きい重油(B重油、C重油)より引火点が低いです。上表を確認しましょう。
Q:密度の小さい重油は、密度の大きい重油より単位質量当たりの発熱量が大きい。
💡解説:密度の小さい重油(A重油)は密度の大きい重油(B重油、C重油)より単位質量当たりの発熱量が大きい。上表を確認しましょう。
Q:重油が低温になって凝固するときの最低温度を凝固点という。
💡解説:重油の温度を下げていくと、ある温度で凝固が始まります。この温度が「凝固点」です。凝固点は、重油が固まる最高の温度です。
Q:流動点は、重油を冷却したときに流動状態を保つことのできる最低温度で、一般に温度は凝固点より2.5℃高い。
💡解説:流動状態を保てる重油の温度を「流動点」と呼びます。この流動点を下回り、温度がさらに下がることで「凝固点」に達し、重油が固まります。
過去問で修得
令和6年4月 問22
重油の性質について、適切でないものは次のうちどれか。
- 重油の密度は、温度が上昇すると減少する。
- 引火点の低い重油は、一般に粘度も低く密度も小さい。
- 重油の比熱は、温度及び密度によって変わる。
- 重油の実際の引火点は、一般に100℃前後である。
- 密度の大きい重油は、密度の小さい重油より単位質量当たりの発熱量が大きい。
正解 5
令和5年4月 問23
重油の性質に関するAからDまでの記述で、正しいもののみを全て挙げた組合せは、次のうちどれか。
- 重油の密度は、温度が上昇すると増加する。
- 流動点は、重油を冷却したときに流動状態を保つことのできる最低温度で、一般に温度は凝固点より2.5℃高い。
- 凝固点とは、油が低温になって凝固するときの最高温度をいう。
- 密度の小さい重油は、密度の大きい重油より単位質量当たりの発熱量が大きい。
- A,B,C
- A,D
- B,C
- B,C,D
- C,D
正解 4
令和4年4月 問24
重油の性質に関するAからDまでの記述で、正しいもののみを全て挙げた組合せは、次のうちどれか。
- 重油の密度は、温度が上昇すると増加する。
- 流動点は、重油を冷却したときに流動状態を保つことのできる最低温度で、一般に温度は凝固点より2.5℃高い。
- 重油の実際の引火点は、一般に100℃前後である。
- 密度の小さい重油は、密度の大きい重油より単位質量当たりの発熱量が大きい。
- A、B、C
- A、D
- B、C
- B、C、D
- C、D
正解 4
令和3年4月 問24
重油の性質について、誤っているものは次のうちどれか。
- 重油の密度は、温度が上昇すると増加する。
- 密度の小さい重油は、密度の大きい重油より一般に引火点が低い。
- 重油の比熱は、温度及び密度によって変わる。
- 重油の粘度は、温度が上昇すると低くなる。
- 密度の小さい重油は、密度の大きい重油より単位質量当たりの発熱量が大きい。
正解 1
令和2年10月 問22
重油の性質について、誤っているものは次のうちどれか。
- 重油の密度は、温度が上昇すると減少する。
- 密度の小さい重油は、密度の大きい重油より一般に引火点が高い。
- 重油の比熱は、温度及び密度によって変わる。
- 重油の粘度は、温度が上昇すると低くなる。
- 密度の大きい重油は、密度の小さい重油より単位質量当たりの発熱量が小さい。
正解 2
令和2年4月 問21
重油の性質について、誤っているものは次のうちどれか。
- 重油の密度は、温度が上昇すると減少する。
- 密度の小さい重油は、密度の大きい重油より一般に引火点が低い。
- 重油の比熱は、温度及び密度によって変わる。
- 重油が低温になって凝固するときの最低温度を凝固点という。
- 密度の大きい重油は、密度の小さい重油より単位質量当たりの発熱量が小さい。
正解 4