温水ボイラー及び蒸気ボイラーの附属品

二級ボイラー技士試験「ボイラーの構造に関する知識」について解説しています。

本ページでは、温水ボイラー及び蒸気ボイラーの附属品について問う問題を取り扱います。

温水ボイラー及び蒸気ボイラーの附属品について

逃がし管

逃がし管は圧力を逃がすパイプです。手動で圧力とともに熱水・蒸気を排出します。

  • ボイラーが高圧になるのを防ぐ安全装置である。
  • ボイラー水の膨張分を逃がすためのもので、高所に設けた開放型膨張タンクに直結させる。
  • 途中に弁やコックを取り付けてはならない。
  • 伝熱面積に応じて最小径が定められている。
  • 内部の水が凍結しないように保温その他の措置を講じる。

» 温水ボイラーの逃がし管及び逃がし弁

逃し弁

逃がし弁は圧力を逃がす弁です。圧力が設定値を超えたときに自動で圧力を排出します。

  • 逃がし管を設けない場合又は密閉形膨張タンクの場合に用いられる。
  • 水の膨張により圧力が設定した圧力を超えると、弁体を押し上げ、水を逃がすものである。
  • 水の温度が120℃以下の温水ボイラーで、膨張タンクを密閉型にした場合に用いられる。

» 温水ボイラーの逃がし管及び逃がし弁

給水ポンプ

給水ポンプはボイラーに必要な水を供給するために使用されます。

  • 凝縮水給水ポンプは、重力環水式の暖房用蒸気ボイラーで、凝縮水をボイラーに押し込むために用いられる。
  • 真空給水ポンプは、返り管内を真空にして、返り管内の凝縮水を受水槽に吸引するとともに、ボイラーに給水するために用いられる。

温水循環ポンプ

温水ボイラーの使用用途の一つに暖房があります。温水暖房ボイラーにおいて、温水循環ポンプはボイラーで加熱された温水を建物の各部屋や配管に循環させるために使用されます。

温水暖房ボイラーの温水循環ポンプは、ボイラーで加熱された水を放熱器に送り、再びボイラーに戻すために用いられる。

温度計

言わずもがな、温度計は温度を測定するためのものです。

温水ボイラーの温度計は、ボイラー水が最高温度となる箇所の見やすい位置に取り付ける。

水高計

水高計は圧力計と同等のものです。水高計=圧力計で覚えてしまいましょう!

温水ボイラーの圧力を測る計器であり、蒸気ボイラーの圧力計に相当する。

練習問題

問題:温水ボイラー及び蒸気ボイラーの附属品について、次の記述は正しいか。⭕または❌で答えてください。答えは▶を押してください。

真空給水ポンプは、受水槽内を真空にして、返り管内の凝縮水を受水槽に吸引するとともに、ボイラーに給水するために用いられる。

正しくは「真空給水ポンプは、返り管内を真空にして、返り管内の凝縮水を受水槽に吸引するとともに、ボイラーに給水するために用いられる。」

💡解説:真空にするのは「受水槽内」ではなく、「返り管内」になります。

水高計は、温水ボイラーの水面を測定する計器で、蒸気ボイラーの水面計に相当する。

正しくは「水高計は、温水ボイラーの圧力を測定する計器で、蒸気ボイラーの圧力計に相当する。」

💡解説:水高計=圧力計です

温水ボイラーの逃がし管には、ボイラーに近い側に弁又はコックを取り付ける。

正しくは「温水ボイラーの逃がし管には、途中に弁やコックを取り付けてはならない。」

💡解説:逃がし管には弁やコックを取り付けないようにしましょう。

逃がし弁は、暖房用蒸気ボイラーで、発生蒸気の圧力と使用箇所での蒸気圧力の差が大きいときの調節弁として用いられる。

正しくは「逃がし弁は、暖房用蒸気ボイラーで、発生蒸気の圧力と使用箇所での蒸気圧力の差が大きいときの調節弁として用いてはいけない。」

💡解説:逃がし弁は調節のための弁ではありません。

過去問で修得

令和4年4月 問10

温水ボイラー及び蒸気ボイラーの附属品に関するAからDまでの記述で、正しいもののみを全て挙げた組合せは、次のうちどれか。

  1. 凝縮水給水ポンプは、重力環水式の暖房用蒸気ボイラーで、凝縮水をボイラーに押し込むために用いられる。
  2. 暖房用蒸気ボイラーの逃がし弁は、発生蒸気の圧力と使用箇所での蒸気圧力の差が大きいときの調節弁として用いられる。
  3. 温水ボイラーの逃がし管には、ボイラーに近い側に弁又はコックを取り付ける。
  4. 温水ボイラーの逃がし弁は、逃がし管を設けない場合又は密閉型膨張タンクとした場合に用いられる。
  1. A、B、D
  2. A、C、D
  3. A、D
  4. B、C
  5. B、C、D

正解 3

令和3年4月 問10

温水ボイラー及び蒸気ボイラーの附属品について、誤っているものは次のうちどれか。

  1. 水高計は、温水ボイラーの圧力を測る計器であり、蒸気ボイラーの圧力計に相当する。
  2. 温水ボイラーの温度計は、ボイラー水が最高温度となる箇所の見やすい位置に取り付ける。
  3. 温水ボイラーの逃がし管は、ボイラー水の膨張分を逃がすためのもので、高所に設けた開放型膨張タンクに直結させる。
  4. 逃がし弁は、暖房用蒸気ボイラーで、発生蒸気の圧力と使用箇所での蒸気圧力の差が大きいときの調節弁として用いられる。
  5. 凝縮水給水ポンプは、重力還水式の暖房用蒸気ボイラーで、凝縮水をボイラーに押し込むために用いられる。

正解 4

令和2年4月 問10

温水ボイラー及び蒸気ボイラーの附属品について、誤っているものは次のうちどれか。

  1. 水高計は、温水ボイラーの水面を測定する計器で、蒸気ボイラーの水面計に相当する。
  2. 温水ボイラーの温度計は、ボイラー水が最高温度となる箇所の見やすい位置に取り付ける。
  3. 逃がし管には、途中に弁やコックを取り付けてはならない。
  4. 逃がし弁は、水の温度が 120℃ 以下の温水ボイラーで、膨張タンクを密閉型にした場合に用いられる。
  5. 温水暖房ボイラーの温水循環ポンプは、ボイラーで加熱された水を放熱器に送り、再びボイラーに戻すために用いられる。

正解 1

関連問題

温水ボイラーの逃がし管及び逃がし弁

温水ボイラーの逃がし弁又は安全弁