自動制御

二級ボイラー技士試験「ボイラーの構造に関する知識」について解説しています。

本ページでは、ボイラーの自動制御について問う問題を取り扱います。

自動制御について

ボイラーの自動制御は、ボイラーシステムの運転を安全かつ効率的に管理するための技術であり、さまざまなパラメータを自動的に監視・調整します。自動制御は、ボイラーの性能を最適化し、エネルギー効率を高め、運転の安全性を確保するために重要です。

試験では「オンオフ動作」、「ハイ・ロー・オフ動作」、「比例動作」、「微分動作」、「積分動作」の各動作を抑えましょう。

オンオフ動作

  • オンオフ動作による蒸気圧力制御は、蒸気圧力の変動によって、燃焼又は燃焼停止のいずれかの状態をとる。

ハイ・ロー・オフ動作

  • ハイ・ロー・オフ動作による蒸気圧力制御は、蒸気圧力の変動によって、高燃焼、低燃焼又は燃焼停止のいずれかの状態をとる。

比例動作

  • 比例動作による制御は、偏差の大きさに比例して操作量を増減するように動作する制御である。

微分動作

  • 微分動作による制御は、偏差が変化する速度に比例して操作量を増減するように動作する制御である。

微分は速度に比例なんだね。微分動作にも「比例」というワードが出てくるから、比例動作と間違えないように注意しなきゃ。

積分動作

  • 積分動作による制御は、偏差の時間積分値に比例して操作量を増減するように動作する制御である。
  • 積分動作による制御は、オフセットが現れた場合にオフセットがなくなるように動作する制御である。

練習問題

問題:ボイラーの自動制御について、次の記述は正しいか。⭕または❌で答えてください。答えは▶を押してください。

比例動作による制御は、オフセットが現れた場合にオフセットがなくなるように動作する制御である。

正しくは「比例動作による制御は、偏差の大きさに比例して操作量を増減するように動作する制御である。」

💡解説:オフセットが現れた場合にオフセットがなくなるように動作する制御は積分動作です。

比例動作による制御は、偏差が変化する速度に比例して操作量を増減するように動作する制御である。

正しくは「比例動作による制御は、偏差の大きさに比例して操作量を増減するように動作する制御である。」

💡解説:偏差が変化する速度に比例して操作量を増減するように動作する制御は微分動作です。

比例動作による制御は、偏差の大きさに比例して操作量を増減するように動作し制御を行う。

正しい記述です。

💡解説:こちらが比例動作です。覚えましたか?

もう大丈夫…

微分動作による制御は、制御偏差量に比例した速度で操作量を増減するように動作し制御を行う。

正しくは「微分動作による制御は、偏差が変化する速度に比例して操作量を増減するように動作し制御を行う。」

💡解説:制御偏差量に比例した速度で操作量を増減するように動作し制御を行うのは積分動作です。

過去問で修得

令和5年4月 問10

ボイラーの自動制御について、誤っているものは次のうちどれか。

  1. シーケンス制御は、あらかじめ定められた順序に従って、制御の各段階を、順次、進めていく制御である。
  2. オンオフ動作による蒸気圧力制御は、蒸気圧力の変動によって、燃焼又は燃焼停止のいずれかの状態をとる。
  3. ハイ・ロー・オフ動作による蒸気圧力制御は、蒸気圧力の変動によって、高燃焼、低燃焼又は燃焼停止のいずれかの状態をとる。
  4. 比例動作による制御は、偏差の大きさに比例して操作量を増減するように動作する制御である。
  5. 微分動作による制御は、偏差が変化する速度に比例して操作量を増減するように動作する制御で、PI動作ともいう。

正解 5

令和4年4月 問7

ボイラーの自動制御に関するAからDまでの記述で、誤っているもののみを全て挙げた組合せは、次のうちどれか。

  1. ボイラーの状態量として設定範囲内に収めることが目標となっている量を操作量といい、そのために調節する量を制御量という。
  2. ボイラーの蒸気圧力又は温水温度を一定にするように、燃料供給量及び燃焼用空気量を自動的に調節する制御を自動燃焼制御(ACC)という。
  3. 比例動作による制御は、オフセットが現れた場合にオフセットがなくなるように動作する制御である。
  4. 積分動作による制御は、偏差の時間積分値に比例して操作量を増減するように動作する制御である。
  1. A、B、C
  2. A、C
  3. A、C、D
  4. B、D
  5. C、D

正解 2

操作量・制御量の詳細は» 自動制御の制御量と操作量

令和3年10月 問9

ボイラーの自動制御について、誤っているものは次のうちどれか。

  1. オンオフ動作による蒸気圧力制御は、蒸気圧力の変動によって、燃焼又は燃焼停止のいずれかの状態をとる。
  2. ハイ・ロー・オフ動作による蒸気圧力制御は、蒸気圧力の変動によって、高燃焼、低燃焼又は燃焼停止のいずれかの状態をとる。
  3. 比例動作による制御は、オフセットが現れた場合にオフセットがなくなるように動作する制御である。
  4. 積分動作による制御は、偏差の時間積分値に比例して操作量を増減するように動作する制御である。
  5. 微分動作による制御は、偏差が変化する速度に比例して操作量を増減するように動作する制御である。

正解 3

令和3年4月 問7

ボイラーの自動制御について、誤っているものは次のうちどれか。

  1. オンオフ動作による蒸気圧力制御は、蒸気圧力の変動によって、燃焼又は燃焼停止のいずれかの状態をとる。
  2. ハイ・ロー・オフ動作による蒸気圧力制御は、蒸気圧力の変動によって、高燃焼、低燃焼又は燃焼停止のいずれかの状態をとる。
  3. 比例動作による制御は、オフセットが現れた場合にオフセットがなくなるように動作する制御である。
  4. 積分動作による制御は、偏差の時間積分値に比例して操作量を増減するように動作する制御である。
  5. 微分動作による制御は、偏差が変化する速度に比例して操作量を増減するように動作する制御である。

正解 3

令和元年10月 問10

ボイラーの自動制御について、誤っているものは次のうちどれか。

  1. シーケンス制御は、あらかじめ定められた順序に従って、制御の各段階を、順次、進めていく制御である。
  2. オンオフ動作による蒸気圧力制御は、蒸気圧力の変動によって、燃焼又は燃焼停止のいずれかの状態をとる。
  3. ハイ・ロー・オフ動作による蒸気圧力制御は、蒸気圧力の変動によって、高燃焼、低燃焼又は燃焼停止のいずれかの状態をとる。
  4. 比例動作による制御は、偏差が変化する速度に比例して操作量を増減するように動作する制御である。
  5. 積分動作による制御は、偏差の時間積分値に比例して操作量を増減するように動作する制御である。

正解 4

平成31年4月 問5

ボイラーの自動制御について、誤っているものは次のうちどれか。

  1. オンオフ動作による蒸気圧力制御は、蒸気圧力の変動によって、燃焼又は燃焼停止のいずれかの状態をとる。
  2. ハイ・ロー・オフ動作による蒸気圧力制御は、蒸気圧力の変動によって、高燃焼、低燃焼又は燃焼停止のいずれかの状態をとる。
  3. 比例動作による制御は、オフセットが現れた場合にオフセットがなくなるように動作する制御である。
  4. 積分動作による制御は、偏差の時間積分値に比例して操作量を増減するように動作する制御である。
  5. 微分動作による制御は、偏差が変化する速度に比例して操作量を増減するように動作する制御である。

正解 3

関連問題

自動制御の制御量と操作量