二級ボイラー技士試験「ボイラーの構造に関する知識」について解説しています。
本ページでは、丸ボイラーと水管ボイラーの比較について問う問題を取り扱います。
丸ボイラーと水管ボイラーの特徴について
丸ボイラーと水管ボイラーの特徴を表にまとめました。
丸ボイラー | 水管ボイラー | |
適用範囲 | 高圧のもの及び大容量のものに不適 | 低圧小容量用から高圧大容量用まで適 |
伝熱面積 / 熱効率 | 小 / 悪 | 大 / 良 |
伝熱面積当たりの保有水量 | 大きい | 小さい |
起動から所要蒸気発生までの時間 | 長い | 短い |
破裂の被害 | 大きい | 小さい |
戻り燃焼方式 | 採用 | ― |
蒸気使用量の変動による圧力変動 | 小さい | 大きい |
構造 / 設備費 / 取扱い | 簡単 / 安い / 容易 | 複雑 / 高い / 難 |
水の対流 / 水循系統の構成 | 容易 / 不要 | 難 / 必要 |
こうしてみると、水管ボイラーのほうが優れているね。
過去問で修得
令和5年4月 問3
丸ボイラーと比較した水管ボイラーの特徴として、誤っているものは次のうちどれか。
- 構造上、低圧小容量用から高圧大容量用までに適している。
- 伝熱面積を大きくとれるので、一般に熱効率を高くできる。
- 伝熱面積当たりの保有水量が小さいので、起動から所要蒸気発生までの時間が短い。
- 使用蒸気量の変動による圧力変動及び水位変動が大きい。
- 戻り燃焼方式を採用して、燃焼効率を高めているものが多い。
正解 5
令和4年10月 問2
水管ボイラー(貫流ボイラーを除く。)と比較した丸ボイラーの特徴として、誤っているものは次のうちどれか。
- 蒸気使用量の変動による圧力変動が小さい。
- 高圧のもの及び大容量のものに適さない。
- 構造が簡単で、設備費が安く、取扱いが容易である。
- 伝熱面積当たりの保有水量が少なく、破裂の際の被害が小さい。
- 伝熱面の多くは、ボイラー水中に設けられているので、水の対流が容易であり、ボイラーの水循環系統を構成する必要がない。
正解 4
令和3年10月 問2
水管ボイラーと比較した丸ボイラーの特徴として、誤っているものは次のうちどれか。
- 蒸気使用量の変動による水位変動が小さい。
- 高圧のもの及び大容量のものには適さない。
- 構造が簡単で、設備費が安く、取扱いが容易である。
- 伝熱面積当たりの保有水量が少なく、破裂の際の被害が小さい。
- 起動から所要蒸気発生までの時間が長い。
正解 4
令和元年10月 問3
丸ボイラーと比較した水管ボイラーの特徴として、誤っているものは次のうちどれか。
- ボイラー水の循環系路を確保するため、一般に、蒸気ドラム、水ドラム及び多数の水管で構成されている。
- 水管内で発生させた蒸気は、水管内部では停滞することはない。
- 燃焼室を自由な大きさに作ることができ、また、種々の燃料及び燃焼方式に適応できる。
- 使用蒸気量の変動による圧力変動及び水位変動が大きい。
- 給水及びボイラー水の処理に注意を要し、特に高圧ボイラーでは厳密な水管理を行う必要がある。
正解 2