二級ボイラー技士試験「ボイラーの構造に関する知識」について解説しています。
本ページでは、ボイラーの水循環について問う問題を取り扱います。
水循環について
水循環はお風呂をイメージしてみよう。
基本情報
- ボイラー内で、温度が上昇した水及び気泡を含んだ水は上昇し、その後に温度の低い水が下降して、水の循環流ができる。
- 水循環が良いと熱が水に十分に伝わり、伝熱面温度は水温に近い温度に保たれる。
- 水循環が不良になると気泡が停滞したりして、伝熱面の焼損、膨出などの原因となる。
丸ボイラー
- 伝熱面の多くがボイラー水中に設けられ、水の対流が容易なので、水循環の系路を構成する必要がない。
自然循環式水管ボイラー
- 高圧になるほど蒸気と水との密度差が小さくなり、循環力が弱くなる。
高圧になるほど蒸気と水との密度差が大きくなる?
水は一般的に蒸気よりも密度が大きいですが、高圧下では、蒸気の密度が大きくなり、水の密度は小さくなります。そのため、高圧になるほど水と蒸気の密度差が小さくなります。
詳しくは » 水管ボイラー
水管ボイラー
- 水循環を良くするため、水と気泡の混合体が上昇する管と、水が下降する管を区別して設けているものが多い。
練習問題
問題:ボイラーの水循環について、次の記述は正しいか。⭕または❌で答えてください。答えは▶を押してください。
丸ボイラーは、伝熱面の多くがボイラー水中に設けられ、水の対流が困難なので、水循環の系路を構成する必要がある。
💡解説:丸ボイラーはドラム缶をイメージしましょう。ドラム缶は水の循環がしやすい構造をしていると思います。
自然循環式水管ボイラーは、高圧になるほど蒸気と水との密度差が大きくなり、循環力が強くなる。
💡解説:どうしてもわからない場合は、自然循環式水管ボイラー 小さく・弱くと丸暗記で対応しましょう。
過去問で修得
令和5年4月 問1
ボイラーの水循環について、誤っているものは次のうちどれか。
- ボイラー内で、温度が上昇した水及び気泡を含んだ水は上昇し、その後に温度の低い水が下降して、水の循環流ができる。
- 丸ボイラーは、伝熱面の多くがボイラー水中に設けられ、水の対流が困難なので、水循環の系路を構成する必要がある。
- 水管ボイラーでは、特に水循環を良くするため、上昇管と降水管を設けているものが多い。
- 自然循環式水管ボイラーは、高圧になるほど蒸気と水との密度差が小さくなり、循環力が弱くなる。
- 水循環が良いと熱が水に十分に伝わり、伝熱面温度は水温に近い温度に保たれる。
正解 2
令和4年4月 問3
ボイラーの水循環について、誤っているものは次のうちどれか。
- ボイラー内で、温度が上昇した水及び気泡を含んだ水は上昇し、その後に温度の低い水が下降して水の循環流ができる。
- 丸ボイラーは、伝熱面の多くがボイラー水中に設けられ、水の対流が容易なので、水循環の系路を構成する必要がない。
- 水管ボイラーは、水循環を良くするため、水と気泡の混合体が上昇する管と、水が下降する管を区別して設けているものが多い。
- 自然循環式水管ボイラーは、高圧になるほど蒸気と水との密度差が小さくなり、循環力が弱くなる。
- 水循環が良すぎると、熱が水に十分に伝わるので、伝熱面温度は水温より著しく高い温度となる。
正解 5
令和3年4月 問3
ボイラーの水循環について、誤っているものは次のうちどれか。
- ボイラー内で、温度が上昇した水及び気泡を含んだ水は上昇し、その後に温度の低い水が下降して、水の循環流ができる。
- 丸ボイラーは、伝熱面の多くがボイラー水中に設けられ、水の対流が困難なので、水循環の系路を構成する必要がある。
- 水管ボイラーは、水循環を良くするため、水と気泡の混合体が上昇する管と、水が下降する管を区別して設けているものが多い。
- 自然循環式水管ボイラーは、高圧になるほど蒸気と水との密度差が小さくなり、循環力が弱くなる。
- 水循環が良いと熱が水に十分に伝わり、伝熱面温度は水温に近い温度に保たれる。
正解 2
令和元年10月 問1
ボイラーの水循環について、誤っているものは次のうちどれか。
- ボイラー内で、温度が上昇した水及び気泡を含んだ水は上昇し、その後に温度の低い水が下降して、水の循環流ができる。
- 丸ボイラーは、伝熱面の多くがボイラー水中に設けられ、水の対流が容易なので、水循環の系路を構成する必要がない。
- 水管ボイラーは、水循環を良くするため、水と気泡の混合体が上昇する管と、水が下降する管を区別して設けているものが多い。
- 自然循環式水管ボイラーは、高圧になるほど蒸気と水との密度差が大きくなり、循環力が弱くなる。
- 水循環が不良であると、伝熱面の焼損、膨出などの原因となる。
正解 4