温水ボイラーの逃がし管及び逃がし弁

二級ボイラー技士試験「ボイラーの構造に関する知識」について解説しています。

温水ボイラーの逃がし管及び逃がし弁について問う問題です。

この問題は逃がし管と逃がし弁の違いを確認しておきましょう。

これは覚えよう!

逃がし管

逃がし管は圧力を逃がすパイプです。手動で圧力とともに熱水・蒸気を排出します。

  • ボイラーが高圧になるのを防ぐ安全装置である。
  • ボイラーと高所に設けた開放型膨張タンクとを接続する管である。
  • 途中に弁やコックを取り付けてはならない。
  • 伝熱面積に応じて最小径が定められている。
  • 内部の水が凍結しないように保温その他の措置を講じる。

逃がし弁

逃がし弁は圧力を逃がす弁です。圧力が設定値を超えたときに自動で圧力を排出します。

  • 逃がし管を設けない場合又は密閉形膨張タンクの場合に用いられる。
  • 水の膨張により圧力が設定した圧力を超えると、弁体を押し上げ、水を逃がすものである。
  • 水の温度が120℃以下の温水ボイラーで、膨張タンクを密閉型にした場合に用いられる。

なお、「水の温度が120℃を超える鋼製温水ボイラーには、内部の圧力を最高使用圧力以下に保持することができる安全弁を備えなければならない。」という問題の出題実績があります。

詳しくは » 温水ボイラーの逃がし弁又は安全弁

練習問題

問題:温水ボイラーの逃がし管及び逃がし弁について、次の記述は正しいか。⭕または❌で答えてください。答えは▶を押してください。

Q:逃がし管には、ボイラーに近い側に弁又はコックを取り付ける。

正しくは「逃がし管には、途中に弁やコックを取り付けてはならない。」

💡解説:逃がし管には弁やコックを取り付けないようにしましょう。

Q:逃がし弁は、暖房用蒸気ボイラーで、発生蒸気の圧力と使用箇所での蒸気圧力の差が大きいときの調節弁として用いられる。

正しくは「逃がし弁は、暖房用蒸気ボイラーで、発生蒸気の圧力と使用箇所での蒸気圧力の差が大きいときの調節弁として用いてはいけない。」

💡解説:逃がし弁は調節のための弁ではありません。詳しくは「温水ボイラー及び蒸気ボイラーの附属品

Q:逃がし管は、伝熱面積に応じて最大径が定められている。

正しくは「逃がし管は、伝熱面積に応じて最小径が定められている。」

💡解説:逃がし管の径が小さすぎると、圧力が排出される際の抵抗が大きくなり、排出能力が制限される可能性があります。そのため最小径を定めることで、圧力を確実に排出します。

過去問で修得

令和5年10月 問6

温水ボイラーの逃がし管及び逃がし弁について、適切でないものは次のうちどれか。

  1. 膨張した水を膨張タンクに逃がす場合、そのタンクに密閉型を用いる場合には、逃がし弁を取り付ける。
  2. 逃がし管は、ボイラーが高圧になるのを防ぐ安全装置である。
  3. 逃がし管には、途中に弁やコックを取り付けてはならない。
  4. 逃がし管は、伝熱面積に応じて最大径が定められている。
  5. 逃がし弁は、水の膨張により圧力が設定した圧力を超えると、弁体を押し上げ、水を逃がすものである。

正解 4

令和4年10月 問4

温水ボイラーの逃がし管及び逃がし弁について、誤っているものは次のうちどれか。

  1. 逃がし管は、ボイラーと高所に設けた開放型膨張タンクとを接続する管である。
  2. 逃がし管は、ボイラーが高圧になるのを防ぐ安全装置である。
  3. 逃がし管には、ボイラーに近い側に弁又はコックを取り付ける。
  4. 逃がし管は、伝熱面積に応じて最小径が定められている。
  5. 逃がし弁は、水の膨張により圧力が設定した圧力を超えると、弁体を押し上げ、水を逃がすものである。

正解 3

関連問題

温水ボイラーの逃がし弁又は安全弁

温水ボイラー及び蒸気ボイラーの附属品