二級ボイラー試験「燃料及び燃焼に関する知識」について解説しています。
本ページでは、油だきボイラーにおける重油の加熱について問う問題を取り扱います。
重油の加熱について
ボイラーの燃料として使用されるB重油とC重油は、いずれも粘度の高い重油です。
- B重油: 比較的粘度が高く、通常は低温で固まる傾向があります。そのため、使用する前に加熱して粘度を下げる必要があります。
- C重油: B重油よりもさらに粘度が高く、さらに高い温度で予熱することが必要です。粘度が高いため、加熱によって流動性を改善し、適切な噴霧状態を確保することが重要です。
どちらの重油も、加熱によって粘度を下げ、効率的な燃焼と安定した噴霧状態を保つことが求められます。
これは覚えよう!
加熱温度について
- 軽油やA重油は、一般に加熱を必要としない。
- B重油の加熱温度は、一般に50~60℃である。
- C重油の加熱温度は、一般に80~105℃である。
A重油は加熱しなくていいんだね!
B重油とC重油の加熱温度は覚えましょう。
加熱温度が高すぎると
- いきづき燃焼となる。
- 振動燃焼となる。
- バーナ管内で油が気化し、ベーパロックを起こす。
- 炭化物生成の原因となる。
加熱温度が低すぎると
- 霧化不良となり、燃焼が不安定となる。
- すすが発生する。
練習問題
問題:油だきボイラーにおける重油の加熱について、次の記述は正しいか。⭕または❌で答えてください。答えは▶を押してください。
Q:粘度の低い重油は、噴霧に適した粘度にするために加熱する。
💡解説:粘度の低い重油(軽油やA重油)は加熱不要です。
Q:C重油の加熱温度は、一般に80~105℃である。
💡解説:加熱温度は暗記しましょう。なお、B重油の加熱温度は一般に50~60℃です。
Q:加熱温度が低すぎると、振動燃焼となる。
💡解説:振動燃焼は加熱温度が高すぎる場合に発生します。
Q:加熱温度が高すぎると、いきづき燃焼となる。
💡解説:いきづき燃焼は加熱温度が高すぎる場合に発生します。
Q:加熱温度が高すぎると、バーナ管内で油が気化し、ベーパロックを起こす。
💡解説:ベーパロックは、加熱温度が高すぎる場合に発生します。これは、重油が揮発して気体ができることによって起こります。
Q:加熱温度が高すぎると、炭化物生成の原因となる。
💡解説:加熱温度が高すぎると、重油の成分が分解して固形の炭素や炭化物が形成されてしまいます。
Q:加熱温度が低すぎると、霧化不良となり、燃焼が不安定となる。
💡解説:加熱温度が低すぎると、重油の粘度が高いままになります。その結果、霧化不良となり、燃焼が不安定になります。
過去問で修得
令和6年4月 問24
油だきボイラーにおける重油の加熱について、適切でないものは次のうちどれか。
- 粘度の低い重油は、噴霧に適した粘度にするために加熱する。
- C重油の加熱温度は、一般に80~105℃である。
- 加熱温度が高すぎると、いきづき燃焼となる。
- 加熱温度が高すぎると、バーナ管内で油が気化し、ベーパロックを起こす。
- 加熱温度が低すぎると、霧化不良となり、燃焼が不安定となる。
正解 1
令和5年4月 問24
油だきボイラーにおける重油の加熱に関するAからDまでの記述で、適切なもののみを全て挙げた組合せは、次のうちどれか。
- 軽油やA重油は、一般に加熱を必要としない。
- 加熱温度が低すぎると、振動燃焼となる。
- 加熱温度が高すぎると、すすが発生する。
- 加熱温度が高すぎると、バーナ管内で油が気化し、ベーパロックを起こす。
- A
- A,B,D
- A,C,D
- A,D
- B,C
正解 4
令和4年10月 問22
油だきボイラーにおける重油の加熱に関するAからDまでの記述で、正しいもののみを全て挙げた組合せは、次のうちどれか。
- A重油や軽油は、一般に50〜60℃に加熱する必要がある。
- 加熱温度が高すぎると、息づき燃焼となる。
- 加熱温度が低すぎると、すすが発生する。
- 加熱温度が低すぎると、バーナ管内でベーパロックを起こす。
- A,B,C
- A,C
- A,D
- B,C
- B,C,D
正解 4
令和2年4月 問24
油だきボイラーにおける重油の加熱について、誤っているものは次のうちどれか。
- 粘度の高い重油は、噴霧に適した粘度にするために加熱する。
- C重油の加熱温度は、一般に 80 〜 105℃ である。
- 加熱温度が高すぎると、息づき燃焼となる。
- 加熱温度が高すぎると、炭化物生成の原因となる。
- 熱温度が低すぎると、ベーパロックを起こす。
正解 5
令和元年10月 問24
油だきボイラーにおける重油の加熱について、適切でないものは次のうちどれか。
- 粘度の高い重油は、噴霧に適した粘度にするため加熱する。
- C重油の加熱温度は、一般に 80 ~ 105°Cである。
- 加熱温度が低すぎると、息づき燃焼となる。
- 加熱温度が低すぎると、霧化不良となり、燃焼が不安定となる。
- 加熱温度が高すぎると、コークス状の残渣が生成される原因となる。
正解 3