燃料の分析及び性質

二級ボイラー試験「燃料及び燃焼に関する知識」について解説しています。

本ページでは、燃料の分析及び性質について問う問題を取り扱います。

これは覚えよう!

元素分析と成分分析

◆組成を示す場合、通常、液体燃料及び固体燃料には元素分析が、気体燃料には成分分析が用いられる。

気体は様々な物質が混ざっているから、成分と覚えよう。

引火温度、発火温度

◆液体燃料に小火炎を近づけたとき、瞬間的に光を放って燃え始める最低の温度を、引火点という。

◆燃料を空気中で加熱し、他から点火しないで自然に燃え始める最低の温度を、着火温度(発火温度)という。

引火点は炎(点火源)を近づけたときに、物質が着火して燃焼を始める最低の温度で、着火温度は空気中で点火源がなくても、物質が自ら発火する最低の温度のことなんだね。

発熱量

◆高発熱量は、水蒸気の潜熱を含んだ発熱量で、総発熱量ともいう。

◆低発熱量は、高発熱量から水蒸気の潜熱を差し引いた発熱量で、真発熱量ともいう。

◆高発熱量と低発熱量の差は、燃料に含まれる水分及び水素の割合によって決まる。

燃料を完全燃焼させたときに発生する熱量のことを「発熱量」といいます。一般に水蒸気の潜熱を含まない低発熱量が計算値に使われます。

なるほど、一般に使用されるのは低発熱量なんだね。だから”真”発熱量なんだ!

練習問題

問題:燃料の分析及び性質について、次の記述は正しいか。⭕または❌で答えてください。答えは▶を押してください。

Q:組成を示す場合、通常、液体燃料及び固体燃料には成分分析が、気体燃料には元素分析が用いられる。

正しくは「組成を示す場合、通常、液体燃料及び固体燃料には元素分析が、気体燃料には成分分析が用いられる。」

Q:液体燃料に小火炎を近づけたとき、瞬間的に光を放って燃え始める最低の温度を、引火点という。

正しい記述です。

Q:燃料を空気中で加熱し、他から点火しないで自然に燃え始める最低の温度を引火点という。

正しくは「燃料を空気中で加熱し、他から点火しないで自然に燃え始める最低の温度を発火点という。」

Q:高発熱量は、水蒸気の顕熱を含んだ発熱量で、真発熱量ともいう。

正しくは「高発熱量は、水蒸気の顕熱を含んだ発熱量で、総発熱量ともいう。」

Q:低発熱量は、高発熱量から水蒸気の潜熱を差し引いた発熱量で、真発熱量ともいう。

正しい記述です。

過去問で修得

令和6年4月 問21

燃料の分析及び性質について、適切でないものは次のうちどれか。

  1. 組成を示す場合、通常、液体燃料及び固体燃料には成分分析が、気体燃料には元素分析が用いられる。
  2. 液体燃料に小火炎を近づけたとき、瞬間的に光を放って燃え始める最低の温度を、引火点という。
  3. 発熱量とは、燃料を完全燃焼させたときに発生する熱量である。
  4. 高発熱量は、水蒸気の潜熱を含んだ発熱量で、総発熱量ともいう。
  5. 高発熱量と低発熱量の差は、燃料に含まれる水素及び水分の割合によって決まる。

正解 1

令和4年4月 問26

燃料の分析及び性質について、誤っているものは次のうちどれか。

  1. 組成を示す場合、通常、液体燃料には成分分析が、気体燃料には元素分析が用いられる。
  2. 工業分析は、固体燃料の成分を分析する一つの方法で、石炭の燃焼特性などを把握するのに有効である。
  3. 発熱量とは、燃料を完全燃焼させたときに発生する熱量である。
  4. 発熱量の単位は、固体及び液体燃料の場合、一般にMJ/kgが用いられる。
  5. 高発熱量と低発熱量の差は、燃料に含まれる水素及び水分の割合によって決まる。

正解 1

令和3年10月 問28

燃料の分析及び性質について、誤っているものは次のうちどれか。

  1. 組成を示す場合、通常、液体燃料及び固体燃料には元素分析が、気体燃料には成分分析が用いられる。
  2. 発熱量とは、燃料を完全燃焼させたときに発生する熱量である。
  3. 液体燃料及び固体燃料の発熱量の単位は、通常、MJ/kgで表す。
  4. 低発熱量は、高発熱量から水蒸気の潜熱を差し引いた発熱量で、真発熱量ともいう。
  5. 高発熱量と低発熱量の差は、燃料に含まれる水分及び炭素の割合によって決まる。

正解 5

令和3年4月 問26

燃料の分析及び性質について、誤っているものは次のうちどれか。

  1. 組成を示す場合、通常、液体燃料及び固体燃料には元素分析が、気体燃料には成分分析が用いられる。
  2. 燃料を空気中で加熱し、他から点火しないで自然に燃え始める最低の温度を、発火温度という。
  3. 発熱量とは、燃料を完全燃焼させたときに発生する熱量である。
  4. 高発熱量は、水蒸気の顕熱を含んだ発熱量で、真発熱量ともいう。
  5. 高発熱量と低発熱量の差は、燃料に含まれる水素及び水分の割合によって決まる。

正解 4

令和2年4月 問23

燃料の分析及び性質について、誤っているものは次のうちどれか。

  1. 組成を示す場合、通常、液体燃料及び固体燃料には元素分析が、気体燃料には成分分析が用いられる。
  2. 燃料を空気中で加熱し、他から点火しないで自然に燃え始める最低の温度を引火点という。
  3. 液体燃料及び固体燃料の発熱量の単位は、通常、MJ/kg で表す。
  4. 高発熱量は、水蒸気の潜熱を含んだ発熱量で、総発熱量ともいう。
  5. 高発熱量と低発熱量の差は、燃料に含まれる水素及び水分の割合によって決まる。

正解 2

令和元年10月 問22

燃料の分析及び性質について、誤っているものは次のうちどれか。

  1. 組成を示す場合、通常、液体燃料及び固体燃料には成分分析が、気体燃料には元素分析が用いられる。
  2. 発熱量とは、燃料を完全燃焼させたときに発生する熱量をいう。
  3. 高発熱量は、水蒸気の潜熱を含んだ発熱量で、総発熱量ともいう。
  4. 高発熱量と低発熱量の差は、燃料に含まれる水素及び水分の割合によって決まる。
  5. 気体燃料の発熱量の単位は、通常、MJ/m3で表す。

正解 1

平成31年4月 問25

燃料の分析及び性質について、誤っているものは次のうちどれか。

  1. 組成を示す場合、通常、液体燃料及び固体燃料には元素分析が、気体燃料には成分分析が用いられる。
  2. 燃料を空気中で加熱し、他から点火しないで自然に燃え始める最低の温度を、着火温度という。
  3. 発熱量とは、燃料を完全燃焼させたときに発生する熱量をいう。
  4. 高発熱量は、水蒸気の顕熱を含んだ発熱量で、真発熱量ともいう。
  5. 高発熱量と低発熱量の差は、燃料に含まれる水素及び水分の割合によって決まる。

正解 4