伝熱

二級ボイラー技士試験「ボイラーの構造に関する知識」について解説しています。

本ページでは、伝熱について問う問題を取り扱います。

伝熱について

伝熱は、熱エネルギーが異なる物質や異なる部分間で移動するプロセスを指します。

ボイラーの主な役割は、燃料から得たエネルギーを熱に変換し、その熱を利用して蒸気や温水を生成することです。伝熱効率が高いと、燃料のエネルギーが効果的に熱に変換され、ボイラーの全体的なエネルギー効率を向上させることができます。

伝熱の知識って、ボイラーを取り扱う上ですごく大事なんだね!

これは覚えよう!

伝熱作用

伝熱作用は、熱伝導、熱伝達及び放射伝熱の三つに分けることができる。

熱伝導

熱伝導は温度が一定でない物体の内部で、温度の高い部分から低い部分へ、順次、熱が伝わる現象です。

温かいお茶の缶を手に持つと、高温のお茶から缶を通じて手に熱が伝わる現象が熱伝導です。缶の内部で、温度が高い部分から低い部分へと熱が移動しているのです。

物体の内部で、温度の高い部分から低い部分へ、熱が伝わる→熱伝達

熱伝達

熱伝達は液体又は気体が固体壁に接触して、固体壁との間で熱が移動する現象です。

レンガを火にかけた場合、レンガと火、及び火で熱せられた気体間の熱の移動が熱伝達になります。

固体壁と液体又は気体の間で熱が移動する現象→熱伝達

意味がわからなくても「固体壁に接触したものが熱伝達」と覚えておけば試験は大丈夫です。

放射伝熱

放射伝熱は空間を隔てて相対している物体間に伝わる熱の移動です。

例えば、ストーブからの熱が人に伝わる現象は主に放射伝熱です。ストーブは赤外線を放射し、その熱が空気を介さずに直接人に届きます。

空間を隔てて相対している物体間に伝わる熱の移動。→放射伝熱

放射伝熱は「空間」がキーワードだね。

熱貫流

固体壁を通して、高温流体から低温流体へ熱が移動する現象を熱貫流又は熱通過といいます。また、熱貫流は一般に熱伝達及び熱伝導が総合されたものです。

固体壁を通して、高温流体から低温流体へ熱が移動する現象→熱貫流又は熱通過

熱伝達+熱伝導=熱貫流なんだね。

固体壁に接触したものが熱伝達」と対象的に、こちらは「固体壁を通したものが熱貫流・熱通過」と覚えておきましょう。

練習問題

問題:伝熱について、次の記述は正しいか。⭕または❌で答えてください。答えは▶を押してください。

Q:伝熱作用は、熱伝導、熱伝達及び放射伝熱の三つに分けることができる。

正しい記述です。熱伝導、熱伝達及び放射伝熱の言葉は必ず覚えましょう。

Q:温度の高い部分から低い部分に熱が移動する現象を伝熱という。

正しい記述です。

Q:温度が一定でない物体の内部で、温度の高い部分から低い部分へ、順次、熱が移動する現象を熱伝達という。

正しくは「温度が一定でない物体の内部で、温度の高い部分から低い部分へ、順次、熱が移動する現象を熱伝導という。」

💡解説:熱伝達は液体又は気体が固体壁に接触して、固体壁との間で熱が移動する現象です。

Q:液体又は気体が固体壁に接触して、固体壁との間で熱が移動する現象を熱伝達という。

正しい記述です。「固体壁に接触したものが熱伝達」です。

Q:空間を隔てて相対している物体間に伝わる熱の移動を放射伝熱という。

正しい記述です。

Q:熱貫流は、一般に熱伝達、熱伝導及び放射伝熱が総合されたものである。

正しくは「熱貫流は、一般に熱伝達、熱伝導が総合されたものである。」

💡解説:熱貫流は、熱伝達と熱伝導が総合されたものです。熱貫流に放射伝熱は含まれません!

過去問で修得

令和6年4月 問1

伝熱について、誤っているものは次のうちどれか。

  1. 伝熱作用は、熱伝導、熱伝達及び放射伝熱の三つに分けることができる。
  2. 温度が一定でない物体の内部で、温度の高い部分から低い部分へ、順次、熱が移動する現象を熱伝達という。
  3. 空間を隔てて相対している物体間に、熱が移動する現象を放射伝熱という。
  4. 固体壁を通して、高温流体から低温流体へ熱が移動する現象を熱貫流又は熱通過という。
  5. 熱貫流は、一般に熱伝達及び熱伝導が総合されたものである。

正解 2

令和3年10月 問1

伝熱について、誤っているものは次のうちどれか。

  1. 温度の高い部分から低い部分に熱が移動する現象を伝熱という。
  2. 伝熱作用は、熱伝導、熱伝達及び放射伝熱の三つに分けることができる。
  3. 温度が一定でない物体の内部で、温度の高い部分から低い部分へ、順次、熱が伝わる現象を熱伝達という。
  4. 空間を隔てて相対している物体間に伝わる熱の移動を放射伝熱という。
  5. 高温流体から固体壁を通して、低温流体へ熱が移動する現象を熱貫流又は熱通過という

正解 3

令和2年10月 問1

次の文中の( )内に入れるA及びBの語句の組合せとして、正しいものは次のうちどれか。

「温度が一定でない物体の内部で温度の高い部分から低い部分へ、順次、熱が伝わる現象を(A)といい、高温流体から固体壁を通して、低温流体へ熱が移動する現象を(B)という。」

AB
1.熱貫流熱伝達
2.熱貫流熱伝導
3.熱伝達熱伝導
4.熱伝導熱貫流
5.熱伝導熱伝達

正解 4

令和2年4月 問2

伝熱について、誤っているものは次のうちどれか。

  1. 伝熱作用は、熱伝導、熱伝達及び放射伝熱の三つに分けることができる。
  2. 液体又は気体が固体壁に接触して、固体壁との間で熱が移動する現象を熱伝達という。
  3. 温度が一定でない物体の内部で、温度の高い部分から低い部分へ、順次、熱が伝わる現象を熱伝導という。
  4. 空間を隔てて相対している物体間に伝わる熱の移動を放射伝熱という。
  5. 熱貫流は、一般に熱伝達、熱伝導及び放射伝熱が総合されたものである。

正解 5